スタートアップサポート総合会計事務所
藁谷 翼 税理士事務所

所得税の青色申告のメリットデメリット

 2025.01.22 更新

所得税の確定申告の方法は、青色申告と白色申告の2種類があり、青色申告は節税効果が高い申告方法ですが、申請書の提出や複式簿記での記帳が求められるため、白色申告に比べて申告手続きが複雑です。
本記事では、青色申告のメリットとデメリットを詳しく解説します。

青色申告のメリット

青色申告は税制上のメリットがたくさんありますが、以下に代表的な税制上のメリットを5つあげさせていただきます。

青色申告特別控除が受けられる

青色申告のメリットは、65万円、55万円、10万円いずれかの青色申告特別控除が受けられることです。

控除額によって要件は異なり、65万円の特別控除を受けるには、複式簿記での記帳や貸借対照表と損益計算書の作成などの55万円控除の要件を満たしたうえで、e-Taxでの確定申告を行うなどの要件を満たす必要があり、控除額が大きくなるほど要件をクリアするのが大変になります。
以下に控除額と適用要件を表にすると以下のようになります。

※表が見切れている場合は右にスクロールしてください。


青色申告特別控除額
適用条件 65万円 55万円 10万円
複式簿記 ×(簡易な記帳)
貸借対照表と損益計算書の提出 △(損益計算書のみ)
期限内の申告
e-Taxでの申告または電子帳簿保存

家族への給与を全額経費にできる

生計を一にする親族への給与については基本的には経費計上ができません。
ただし青色申告を提出している場合は生計を一にする親族への給与を以下の要件を全てクリアすれば全額経費計上することができます。
①青色申告者と生計を一にする配偶者またはそのほかの親族であること
②その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること
③その年を通じて6ヶ月間を超える期間、その事業に専従していること

なお、この適用を受けるにはその年の3月15日までに、税務署へ「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要となります。

赤字を3年間繰り越せる

青色申告では、赤字を3年間繰り越すことが可能で、赤字のでた年の翌年以降に事業で黒字が出たときは、黒字の金額からその赤字の金額を差し引くことができます。

繰戻還付制度により前年の税金を取り戻せる

この制度は、前年の申告で発生した黒字と、当年に発生した赤字を相殺することができる制度で、前年に申告した際に既に支払った所得税と、前年の黒字から今年の赤字とを遡って相殺した後の利益で計算した所得税額との差額について還付を受けることができます。
還付により実際にお金が入ってくるので、赤字による資金不足を早期に解消できる点がメリットとなります。
ただし、住民税や事業税などの地方税については適用されません。

減価償却資産(30万円未満)は一括経費

パソコンなどの事業で使用する資産を購入したとき、一括で経費計上できるのは10万円未満の資産に限られており、10万円以上の資産を購入しても全額経費計上できません。
しかし、青色申告であれば、「少額減価償却資産の特例」を受けることができ、30万円未満の資産まで一括で経費することが可能となります。

青色申告のデメリット

青色申告のデメリットについて2つあげさせていただきます。

申請書の提出が必要となる

青色申告をするためには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出しなければなりません。
令和7年から青色申告を始めたい方は令和7年3月15日までに所轄の税務署に青色申告承認申請書の提出をしなければなりません。
なお、1月16日以降に開業した場合は、開業日から2ヶ月以内の提出が必要となります。

複式簿記での記帳

青色申告で65万円または55万円の特別控除を受けるためには、「複式簿記」で帳簿作成する必要があります。

Excelなどを使って複式簿記で帳簿作成するには、簿記や経理の専門的な知識が必要となり、現実的ではないため一般的には会計ソフトを導入することになります。
そのため、自身で帳簿作成するには会計ソフトを導入する必要があるため利用料がかかってきます。

青色申告の申請手続き

青色申告をするためには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出します。
その年の1月16日以降に事業を開始した場合には、事業開始から2ヶ月以内の提出が必要です。

青色申告承認申請書とは

青色申告承認申請書の正式名称は「所得税の青色申告承認申請書」といい、青色申告をする場合は提出しなければなりません。提出しなかった場合は、自動的にその年は白色申告となります。
なお、「所得税の青色申告承認申請書」は必要事項を記入の上、所轄の税務署に郵送もしくは持参して提出することができます。
以下のサイトから「所得税の青色申告承認申請書」をダウンロードできますので、ご参考ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

まとめ

青色申告は、白色申告よりもメリットが多い申告方法です。
ただし、日々の記帳を複式簿記で行い、貸借対照表や損益計算書の作成・添付が必要であるなど、申告にあたっての経理作業の負担が大きい点はデメリットといえます。
また、青色申告承認申請書の提出期限が1日でも過ぎてしまうと白色申告となってしまうため注意が必要となります。
スタートアップサポート総合会計事務所では、複式簿記での記帳指導、税制上のメリット等のご提案もしておりますので、 お気軽にご相談ください。