設備投資をして節税もできる?
2025.02.11 更新
目次
設備投資は生産効率のアップ、売上アップなどのメリットがありますが、更に節税もできる場合があります。
今回は中小企業が設備投資をした際に受けられる節税メリットについて解説したいと思います。
中小企業が設備投資をした際に受けられる税制優遇とは?
中小企業が設備投資をした場合に、機械等を購入した年に税金を減額できる制度を中小企業投資促進税制といいます。
中小企業投資促進税制とは、青色申告書を提出する中小企業者等が新品の機械装置、工具器具備品、ソフトウェア等を取得又は制作し、事業に使用した場合にその取得、使用した事業年度に特別償却(取得価額の30%の減価償却費)の計上、もしくは税額控除(取得価額の7%をその年の税額から控除)ができる税制です。
対象法人は?
対象となる法人は青色申告書を提出する資本金1億円以下の法人が対象となります。 なお、税額控除の対象となる法人は資本金3,000万円以下の法人となります。 したがって資本金3,000万円以下の法人は特別償却か税額控除のどちらかを選択できますが、資本金3,000万円超の法人は特別償却のみ適用ができます。 対象法人の詳細は以下をご確認お願いいたします。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5433.htm
対象期間は?
平成10年6月1日から令和7年3月31日までの期間に対象資産を取得又は製作し、使用した事業年度です。
対象資産は?
対象となる資産は新品で購入した次の資産となります。
※表が見切れている場合は右にスクロールしてください。
設備 | 要件 |
---|---|
機械装置 | 1台1台または1基の取得価額が160万円以上のもの |
測定工具、検査工具 | 1台または1基の取得価額が120万円以上のもの または、1台または1基の取得価額が30万円以上のもので、 その取得価額の合計額が120万円以上であるもの |
ソフトウェア | ひとつのソフトウェアの取得価額が70万円以上のもの または、その事業年度において事業の用に供したソフトウェアの 取得価額の合計額が70万円以上のもの |
普通貨物自動車 | 貨物運送に使われるもので車両総重量が3.5トン以上のもの |
内航船舶 | 内航海運業の用に供される船舶 |
特別償却、税額控除どちらを選択した方がいい?
基本的には納税する金額から直接控除できるので、税額控除の方がメリットが大きいことが多いことになります。
また、特別償却は、その資産を取得し使用した事業年度に多めに減価償却費を計上し、対象となった資産の価値を早く落としていることになります。
その分翌年からの減価償却費の総額は減っています。
つまり減価償却費の前倒し計上でプラスアルファの控除を受けたわけではありません。
一方で、税額控除は、プラスアルファの控除を受けていることから、その点を考慮しても、税額控除の方がメリットが大きくなることが多くなります。
ただし、その年の利益が大幅に増えそうな場合、法人税率が高くなる場合には税率の差により特別償却の方が有利になる場合がります。
また、特別償却を選択することで多額の費用を計上できるため購入した初年度の節税効果は大きくなることから、設備投資をして資金繰りが苦しい場合には特別償却を選択されても良いと思います。
まとめ
税金面で長期的視点から得したい場合は税額控除、設備投資後の納税の一部を先延ばしにしたい場合は特別償却を選択したほうが有利になります。
資金繰りの状況に応じて両者を使い分けることを心がけましょう。
なお、税制を使用するにはどちらも申告の際に計算に関する明細書の添付が必要になります。
又、税額控除を選択した場合、法人税額の20%が上限になり、全額が控除できなかった場合には、1年間だけ控除残額を繰越すことができます。
スタートアップサポート総合会計事務所では、中小企業投資促進税制の実績が豊富な税理士がお客様の専任担当をさせていただいておりますのでお気軽にご相談ください。