小規模企業共済の解約理由による受取金額
2025.03.25 更新
目次
小規模企業共済を解約すると、共済金が受け取れますが、
受け取れる金額は、これまで納付してきた月数や理由によって異なってまいります。
場合によっては1円も受け取れない恐れもあるため、解約のタイミングについては注意が必要です。
本記事では小規模企業共済の解約に伴い受け取れる共済金等について、詳しく解説します。
小規模企業共済とは?
小規模企業共済とは、「小規模企業の経営者が自分のために積み立てる退職金制度」で、支払った掛金は全額所得控除の対象となるため、支払った年の所得税を減額することができます。
また、退職・廃業時、または65歳以上からの老齢給付として、共済金を受け取ることができます。
さらに任意解約もいつでも可能となっており、その場合には解約手当金が受け取れます。
小規模企業共済の共済金や解約手当金について
小規模企業共済は、原則どのような理由であっても、共済金または解約手当金を受け取ることができます。
ただし、請求事由等によって受け取れる共済金の種類は以下の4つに分けられ、その種類によって受け取れる金額も異なってしまうため、ご自身の請求理由がどれに当てはまるのか理解したうえで請求するようにしましょう。
- ・共済金A
- ・共済金B
- ・準共済金
- ・解約手当金
請求理由における共済金等の種類は、下表のとおりですが、
簡単にご説明すると、
事業の廃業などのやむを得ない場合や、65歳になってから受け取る場合には「共済金」となり、
自己都合での任意の解約は「解約手当金」となります。
なお、法人成りに伴う解約は一般的には「解約手当金」となりますので注意が必要となります。
また、法人と個人事業をどちらも行っている方が一方の事業を廃業された場合には下記「共済金A」の取り扱いとなります。
※表が見切れている場合は右にスクロールしてください。
共済金等の種類 | 請求事由 | ||
---|---|---|---|
個人事業主の場合 | 個人事業主の共同経営者の場合 | 会社等役員の場合 | |
共済金A |
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法人等を解散した場合 (倒産した場合も含む) ※法人と個人事業のどちらも行っている方が個人事業は継続して、法人だけ解散した場合も共済金Aに該当いたします |
共済金B | 老齢給付(65歳以上で180ヵ月以上掛金を払い込んだ方が対象) | 老齢給付(65歳以上で180ヵ月以上掛金を払い込んだ方が対象) |
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準共済金 | 個人事業の法人成りによって、加入資格を喪失した場合 |
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法人の解散や、病気・負傷によらず65歳未満での役員を退任した場合 |
解約手当金 |
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解約手当金の支給率
解約手当金の額は、納付済掛金の合計に、下表の解除までの掛金納付月数に応じた支給率を乗じて得た額となります。
※表が見切れている場合は右にスクロールしてください。
掛金区分ごとの掛金納付月数 | 支給率 | 備考 |
---|---|---|
1月~11月 | 0% | 6か月ごとに0.75ポイントずつ支給率が上がる |
12月~83月 | 80% | |
84月~89月 | 80.5% | |
120月~125月 | 85% | |
180月~185月 | 92.5% | |
240月~245月 | 100% | |
246月~251月 | 100.25% | 6か月ごとに0.25ポイントずつ支給率が上がる |
474月~479月 | 109.75% | |
480月 | 110% | |
720月以上 | 120% |
掛金が毎月1万円だった場合の受取額シミュレーション
下表に「共済金A」、「共済金B」、「準共済金」、「解約手当金」をシミュレーションしておりますが、「共済金A」で受け取る方法が一番利回りが良いことになりますので「共済金A」で受け取れるように検討しましょう。
※表が見切れている場合は右にスクロールしてください。
掛金納付年数 (掛け金合計額) |
5年 (600,000円) |
10年 (1,200,000円) |
15年 (1,800,000円) |
20年 (2,400,000円) |
---|---|---|---|---|
共済金A | 621,400円 | 1,290,600円 | 2,011,000円 | 2,786,400円 |
共済金B | 614,600円 | 1,260,800円 | 1,940,400円 | 2,658,800円 |
準共済金 | 614,600円 | 1,200,000円 | 1,800,000円 | 2,419,500円 |
解約手当金 | 480,000円 | 1,020,000円 | 1,665,000円 | 2,400,000円 |
共済金等の受取方法
小規模企業共済の共済金等以下の3つの受取り方法があり、税務上でも取り扱いが変わってまいります。
① 一括
② 分割
③ 一括・分割の併用
ただし、分割や併用については共済金Aと共済金Bのみとなります。
また、以下のとおり受け取り方で税金の取り扱いが変わりますので、解約の際には注意が必要となります。
退職所得扱いになる場合
以下いずれかの場合は、退職所得扱いになり、退職所得控除が適用されます。
・共済金(死亡除く)または準共済金を一括で受け取った
・65歳以上の方が任意解約をするまたは65歳以上の共同経営者が任意退任をした
・個人事業主が法人成りした結果、加入資格はなくならなかったが、解約をした
公的年金等の雑所得扱いになる場合
共済金を分割で受け取った場合 、公的年金等の雑所得扱いになり、公的年金等控除が適用されます。
一時所得扱いになる場合
以下いずれかの場合は、一時所得扱いになり、最大50万円の特別控除があります。
・65歳未満の方が任意解約をするまたは65歳未満の共同経営者が任意退任をする場合
・12か月以上の掛金の未払いによる解約(機構解約)で解約手当金を受け取る場合
まとめ
小規模企業共済は掛金の支払い年に所得控除を受けることができると同時に退職金の積立もできる制度となっております。
ただし、やみくもに加入するのではなく、会社規模や社長の今後の資産形成なども含めて考慮する必要があるといえます。
スタ-トアップサポート総合会計事務所では、ファイナンシャルプランニング技能士の資格も持っている税理士が在籍しており、節税のみならず資産運用についてもご相談を受け付けておりますので、ご遠慮なくご相談ください。